「また、こんなことで疲れてる自分が嫌になる」
悲惨なニュース、人混みのざわめき、誰かの何気ない一言。人よりほんの少し、強く感じ取ってしまう自分に、何度もため息をついてきました。
画家・美術講師の甲斐香織です。三人の子どもを育てながら、絵を描き、子どもたちに図工や美術を教えています。
今日から、新しいシリーズ「繊細な私で、生きていく。」をお届けします。子育て、人付き合い、職場での過ごし方、そして創作。繊細な気質を持つ私が、日々の中でどう感じ、どう工夫してきたのかを、これから何回かに分けて綴っていこうと思います。
第1回の今日は、まず「HSP」という気質そのものについて、そして私自身がこの言葉に出会った経緯についてお話しします。
目次
「これだったんだ」―HSPという言葉に出会った日
「気にしすぎだよ」「考えすぎ」。子どもの頃から、そう言われることがよくありました。
誰かのちょっとした表情の変化に気づいてしまう。場の空気が張り詰めていると、自分まで苦しくなる。人一倍、感じ取ってしまう自分を、長い間「弱い性格」なのだと思い込んでいました。
そんな私が「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉に出会ったのは、30代の頃のことです。
特徴を読み進めるうちに、これまでの生きづらさに、ひとつずつ説明がついていくような感覚がありました。「性格が弱いから」ではなく、「そういう気質だから」だったのだと。
それは、自分を責めることをやめる、小さなきっかけになりました。
HSPとは?-繊細さんの4つの特性
HSP(Highly Sensitive Person)は、生まれ持った気質のひとつで、五人に一人程度の割合でいると言われています。病気や障がいではなく、「刺激を人一倍深く処理する」という、脳の特性のようなものです。
一般的に、次の4つの特性を併せ持つとされています。
ひとつめは、物事を深く処理すること。ひとつの出来事から、人よりたくさんのことを感じ取り、考えてしまいます。
ふたつめは、刺激を受けやすいこと。音や光、人混み、予定の変化など、些細な刺激で疲れやすい傾向があります。
みっつめは、感情の反応が強く、共感力が高いこと。人の感情に強く同調し、映画や物語にも深く入り込んでしまいます。
よっつめは、些細な刺激にも気づくこと。人が気づかないような小さな変化や違和感を、敏感に察知します。
私自身、この4つすべてに、心当たりがありました。ひとつではなく、日常のあらゆる場面に、少しずつ姿を変えて現れているのだと感じています。
これまでも「繊細さん」というテーマで、いくつか記事を綴ってきました。あわせてご覧いただくと、より理解が深まるかもしれません。
【繊細さんカテゴリーの代表記事へ】
気づいてから、変わったこと
HSPという気質を知ってから、すぐに生きやすくなったわけではありません。
それでも、疲れやすい自分、人一倍考えてしまう自分を、「そういう気質だから仕方ない」と一度受け止められるようになったことは、大きな変化でした。
子育ての場面でも、人付き合いの場面でも、職場での過ごし方でも、そして絵を描くことにおいても。繊細さは、私の暮らしのあらゆるところに関わっています。
次回からは、その具体的な場面ごとに、私が実際に感じてきたこと、工夫してきたことを、ひとつずつお話ししていきます。
子育てにまつわる過去の記事は、こちらのカテゴリーからもご覧いただけます。
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次回の予告
第2回では、「共感しすぎて、しんどかった―物語や映画との付き合い方」というテーマで、映画やドラマ、小説との向き合い方についてお話しします。
このテーマは、noteでも「繊細な私で、生きていく。」として、より個人的な体験を交えながら綴っています。あわせてご覧いただけたら嬉しいです。
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