あなたは、山のように動じない人ですか?それとも雲のように流れる人ですか?
目次
- 禅語「青山元不動 白雲自去来」とは?
- ストイックさは「芯」、柔らかさは「風」
- 信念が強すぎると、可能性を閉ざすこともある
- 柔軟さがもたらす、思いがけない景色
- アート・子育て・仕事に通じる“しなやかさ”
- 最後に:流れる雲のように生きること
禅語「青山元不動 白雲自去来」とは?
「青山元不動 白雲自去来(せいざんもとうごかずして はくうんおのずからきょらいす)」は、禅語のひとつです。
意味は、「青々とした山はどっしりと動かずそこにあり、白い雲は自由に空を行き来する」。
山のような不動の意志と、雲のような軽やかな柔軟性。
真に安定した在り方とは、この相反する性質を両立させることだと教えてくれます。
ストイックさは「芯」、柔らかさは「風」
現代の働き方や生き方においても、「ストイックに突き進むこと」と「しなやかに流れを受け入れること」のバランスが大切です。
「私はこの道を極めたい」「こうありたい」という意志は、山のように揺るぎない芯になります。
一方で、「今の状況に応じて変わってもいい」「別の道も選んでいい」と許せる心が、人生に風通しを与えてくれるのです。
実際の場面でも、こうした両面が求められます。
「この会社で働き続けたい」と思う気持ちと、「もし合わなくなったら辞めてもいい」という余白。
「作品にこだわりたい」という情熱と、「でも、今はここまでにして次に進もう」という見切り。
ストイックさと柔軟さのどちらか一方だけでは、心のバランスを崩してしまうのです。
信念が強すぎると、可能性を閉ざすこともある
強い意志や美意識は、創作にも仕事にも不可欠です。
しかし、強すぎるこだわりは時に「執着」へと変わり、自分の世界を狭くしてしまいます。
他者の意見に耳を傾けず、自分のやり方が「正しい」と信じすぎると、かえって大切な機会を逃すことにもつながります。
たとえばアート教育の現場でも、「このカリキュラムしか認めない」と思い込めば、子どもたちの表現の可能性を閉ざしてしまうかもしれません。
信念を持ちつつも、「今の私にとって最善の選択は何か?」を常に問い直す柔軟性こそが、創造的な人生を拓く鍵です。
柔軟さがもたらす、思いがけない景色
雲のように流れるとは、変化を恐れないということ。
実際、私自身も「こういう仕事がしたい!」と強く主張することはあまりありません。
いただいたお話のなかから、自分に合ったものを受け取り、合わなければ無理をせずお断りする。
その結果、想像していなかったような楽しいプロジェクトに関わることが増えました。
柔軟であるということは、選ばれる力であり、めぐり合わせを呼び込む力なのです。
アート・子育て・仕事に通じる“しなやかさ”
私の美術教室でも、子どもたちに対して「これが正解」と押しつけることはしません。
ルールに縛るよりも、「今はこの子にとって何が一番自由か」を大切にするのです。
子育ても同じ。信念は持ちつつ、子どもの成長や変化に応じて柔らかく対応する。
アート制作もまた、思い描いた構図にこだわりすぎず、流れに任せることで新たな作品が生まれるのです。
剛と柔、その両方を内に秘める人は、周囲からも信頼され、自分自身も無理なく成長していけます。
最後に:流れる雲のように生きること
「青山元不動 白雲自去来」。
動じない心と、自由に変化を受け入れる姿勢。
どちらも、これからの時代を生きるうえで欠かせない感性です。
想いが強くなってきたときこそ、あえて「流れにまかせる」。
それが本当の意味での“しなやかさ”であり、あなたの凛とした美しさを形づくります。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今日もあなたらしく・・・
母画家道Rin甲斐香織でした。
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