想像力は人生を変える|アートが育てる「見えないものを描く力」の正体

「想像力がある人」と聞くと、あなたは誰を思い浮かべますか。

画家。

小説家。

発明家。

そんな、特別な才能を持つ人をイメージする方が多いかもしれません。

でも私は、画家として作品を描き、25年以上、3,000人を超える子どもたちに美術を教えてきた中で、まったく違う結論にたどり着きました。

想像力とは、特別な才能ではなく、誰もが元々持っている「生きる力」そのものだということです。

そしてこの想像力こそが、人生の選択や生き方を、静かに、けれど確実に変えていく力を持っています。

今日は「想像力は人生を変える」というテーマで、私が教育現場と子育て、そして制作の中で気づいてきたことをお伝えします。

目次

想像力とは「見えないものを見る力」

想像力というと、絵や物語をつくる力だと思われがちです。

けれど本来の想像力は、もっと広い意味を持っています。

まだ起きていない未来を思い描く力。

今はできないことを、「できるとしたら」と考える力。

相手の立場に立って、その人の気持ちを想像する力。

これらはすべて、想像力の一部です。

つまり想像力とは、「今、目の前にないものを、頭の中に描く力」なのです。

キャンバスに向かうとき、私はまず何もない白い画面を見つめます。

そこにはまだ何もありません。

けれど頭の中には、これから生まれる色や形が、すでに存在しています。

これは画家に限った特別な能力ではありません。

献立を考えるとき。

来月の予定を組み立てるとき。

子どもの将来を思い描くとき。

私たちは日々、無意識に想像力を使いながら生きています。

なぜ想像力が人生を変えるのか

想像力が人生を変える理由は、シンプルです。

人は、想像できることしか、選び取ることができないからです。

「今の自分には無理だ」と思っている限り、新しい一歩は踏み出せません。

でも、「こうなったら素敵だろうな」「こんな暮らし方もあるかもしれない」と想像できた瞬間、人はその方向へ動き出すことができます。

私自身、子育てをしながら制作を続けることに、何度も限界を感じてきました。

時間はない。

自信もない。

それでも「描き続けている自分」を想像できたからこそ、筆を置かずにここまで来られたのだと思います。

想像力は、未来を先取りして描く力です。

そしてその「描いた未来」に向かって、人は少しずつ現実を近づけていきます。

これが、想像力が人生を変える仕組みです。

教育現場で見てきた、子どもの想像力の力

美術講師として、これまで3,000人を超える子どもたちと関わってきました。

その中で強く感じるのは、想像力は「上手・下手」とはまったく関係がないということです。

画用紙からはみ出すほど大きく太陽を描く子。

空を緑色で塗る子。

「これは怪獣のお母さんの家」と、誰も見たことのない世界を語る子。

そうした子どもたちに共通しているのは、「こう描かなければいけない」という枠がないことです。

だからこそ、自由に、伸びやかに、想像したものをそのまま形にできます。

一方で、学年が上がるにつれて「上手に描かなければ」という意識が芽生え、想像力にブレーキをかけてしまう子も少なくありません。

これは子どもだけの話ではないと思っています。

大人になった私たちも、「正しさ」や「常識」という枠の中で、いつのまにか想像することをやめてしまっているのかもしれません。

私自身が想像力を失いかけていた時期の話

正直に打ち明けると、私にも想像力を見失いかけた時期がありました。

三人の子育てに追われ、家事に追われ、一日の終わりには何も考える余力が残っていない。

そんな日々が続いたとき、真っ白なキャンバスを前にしても、何も浮かんでこない自分に気づきました。

「私はもう、何も創れないのかもしれない」

そう思った夜もあります。

けれど、そこから私を引き戻してくれたのは、案外ちいさなことでした。

子どもが描いた一枚の絵。

授業で出会った生徒の、思いがけない発想。

そうした小さな刺激に触れるたび、少しずつ「自分の中にもまだ何か描けるものがある」と思い出していったのです。

想像力は、消えてなくなるものではありません。

日々の忙しさの中で、一時的に眠ってしまうだけなのだと、今の私は思っています。

今日からできる、想像力を育てる小さな習慣

想像力を育てるために、特別な訓練は必要ありません。

私が実際に大切にしている、小さな習慣をご紹介します。

  • 「もし〜だったら」と、一日一回考えてみる
  • 子どもの話を、最後まで否定せずに聞く
  • 普段選ばない色の服を着てみる
  • 知らない道を、少しだけ歩いてみる
  • 何も予定のない10分間をつくる
  • 完成度を気にせず、手を動かしてみる

どれも小さなことですが、共通しているのは「決まった答えから、少しだけ外れてみる」ということです。

その小さなズレの中にこそ、想像力の種が眠っています。

まとめ|想像力は、あなたの人生を描く絵の具

想像力とは、才能ある人だけが持つ特別な力ではありません。

見えないものを思い描き、今日という一日に、新しい色を重ねていく力。

それは、誰の中にもすでに存在しています。

そして想像力を使うたびに、私たちは自分の人生というキャンバスに、少しずつ新しい景色を描き足しているのだと思います。

「アートで人生を創る」というテーマの根っこには、いつもこの想像力への信頼があります。

これからも、作品を通して、そして言葉を通して、その力をお伝えしていきたいと思います。


関連記事・ご案内

この記事がよかったら、こちらもあわせてご覧ください。

▶ 前回の記事 アートで人生を創るとは?|作品を描くことだけがアートではない理由

▶ このテーマをさらに深く読みたい方は note で、制作の裏話や私自身の体験をお届けしています。

▶ 新しい記事や展示会、新作情報は 【会員限定】無料メルマガ でいち早くご案内しています。

▶ 日々の制作風景や最新情報は LINE公式 でも配信しています。

 

▶ 作品をご覧になりたい方は オンラインギャラリー KAORI-ART へお越しください。

ご優待のご案内

※以前行っていたアート教室開業支援コンサルティングは現在、新規受付を終了しております。
詳しくはこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。母画家道Rin甲斐香織です。 「No ART, No Life」 ── アートは私にとって、生きることそのもの。 画家、美術講師、そして三兄弟の母として、 描くこと・教えること・暮らすことのすべてを、アートでつないでいます。 これまで25年以上、美術教育に携わり、出会ってきた生徒は延べ3,000人以上。 宮崎県高鍋町のこども造形教室を運営、小中一貫校の図工美術講師、 オンラインギャラリーの運営など、多角的に活動しています。 「みんなちがって、みんないい」「答えは、あなたの中にある」 そんな信念のもと、美術を通じて、自分らしく生き抜く力を育むことを大切にしています。 このサイトでは、美術を仕事にする楽しさ、 教育・創作・日常を彩るアートの力を、そっとお届けできたら嬉しいです。