こんにちは。母画家道Rin甲斐香織です。
「先生、これとこれって何が違うんですか?」
25年以上、図工・美術の授業やこども造形教室で、いちばんよく聞かれる質問がこれです。
コンテとパステル、クレヨンとクレパス、水彩絵の具とアクリル絵の具——見た目が似ていたり、名前がごちゃまぜになったりして、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方がとても多いんです。
今日は、これまでブログでお伝えしてきた画材の違いを一つにまとめて、「初めての方でも迷わず選べるガイド」としてお届けします。お子さんの絵画教材選びに、ご自身の創作活動に、ぜひ役立ててください。
目次
1. コンテとパステルの違い
パステルは、顔料を粉末にして粘着剤で固めた描画材です。
手で持って描くこともできますし、削って粉状にしてから指やティッシュでぼかすように使うこともできます。
定着力がやや弱いため、混色には限界がありますが、その分、パール色や蛍光色まで色数が豊富に揃っているのが魅力です。
コンテは、鉱物の粉末を接着剤で固めた、クレヨンの仲間にあたる描画材です。
パステルより硬く折れにくいので、細部を描き込むデッサンよりも、クロッキーやスケッチのように素早く描き上げたいときに向いています。
色は白・黒・セピア・赤褐色の4色が基本ですが、最近はカラーバリエーションも増えています。
どちらを選ぶ?
- ふんわりとした質感、幅広い色を楽しみたい → パステル
- しっかりした線で、手早くスケッチしたい → コンテ
より詳しい違いや、カレーパステルなどの種類については、コンテとパステルの違いとは?描画材の種類のご紹介でさらに詳しくお伝えしています。
2. クレヨンとクレパスの違い
同じ「顔料+ワックス・オイル」でできていても、その配合比率が違うだけで、描き心地はまったく別物になります。
クレヨンはワックスの割合が多く、タッチはかため。
線描きや重ね塗りが得意で、水をよくはじくので、絵の具を上から重ねる「はじき絵(バチック)」の技法にぴったりです。低年齢のお子さんにも扱いやすい描画材です。
クレパスはオイルの割合が多く、タッチはやわらかめ。
面を塗ったり色を混ぜたりするのが得意で、ぼかし・盛り上げ・ひっかきなど、表現の幅が広いのが特徴です。未就学のお子さんから専門家まで、幅広い年代に愛用されています。
違いをもっと詳しく知りたい方は、描画材の種類クレヨンとクレパスの違いとは?もあわせてご覧ください。
扱い方の小さなコツ
クレパス・クレヨンは折れやすいですが、折れても面塗り用として活用できます。
制作中はその都度置き場所を決めておくと、画用紙を汚さず、色も探しやすくなります。
色移りしたときはティッシュでひと拭き。ラベルが剥がれてしまったら紙を巻き直すと、手が汚れず快適に使えます。
持ち方や片付け方まで詳しく知りたい方は、クレパスやクレヨンの使い方や片付け方の方法やコツで写真つきで解説しています。
3. 水彩絵の具とアクリル絵の具の違い
この2つの違いは、大きく3つのポイントに整理できます。
① つくる材料
水彩絵の具は顔料とアラビアゴム(樹脂)、アクリル絵の具は顔料とアクリル樹脂でつくられています。
② 使い方
水彩絵の具は基本的に水で溶いて、紙に染み込ませるように描くのが得意です。
アクリル絵の具も水で溶けますが、そのまま盛り上げて油絵のように描いたり、メディウムを使えば質感や透明感、ツヤを自在に変えたりできる、表現の幅が広い絵の具です。基底材も紙だけでなく、布・粘土・木・石など多様な素材に描けます。
③ 耐水性
水彩絵の具は乾いた後も水に弱く、流れると色が取れてしまいます。アクリル絵の具は乾くと耐水性があり、水に濡れても色が取れません。
どちらを選ぶ?
- 紙の上でにじみやぼかしを楽しみたい、手軽に始めたい → 水彩絵の具
- しっかりした発色・耐久性がほしい、紙以外の素材にも描きたい → アクリル絵の具
この違いについては、アクリル絵の具と水彩絵の具の違いとは?3つの特徴を知って悩み疑問を解決!でさらに詳しく解説しています。
4. 目的別・画材の選び方まとめ
| 目的 | おすすめ画材 |
|---|---|
| 小さなお子さんに初めて持たせる | クレヨン |
| 面を塗ったり混色を楽しみたい | クレパス |
| 手早くスケッチ・デッサンしたい | コンテ |
| ふんわりした質感、幅広い色を楽しみたい | パステル |
| 紙の上でにじみやぼかしを楽しみたい | 水彩絵の具 |
| しっかりした発色・耐久性がほしい | アクリル絵の具 |
私自身も、こうした画材と向き合いながら日々制作を続けています。
実際にパステルやアクリルで描いた作品は、オンラインギャラリー「KAORI-ART」でご覧いただけます。
→ 作品を見る
おわりに
画材はそれぞれに個性があって、「どれが正解」ということはありません。
お子さんの年齢や描きたいもの、ご自身が表現したい世界観に合わせて選んでいただけたらうれしいです。
わたし自身、こども造形教室や日々の制作の中で、これらの画材と向き合いながら、たくさんの発見をしてきました。
この続きは、もう少し個人的な視点も交えながら、noteで綴っていこうと思います。よろしければ、そちらもぜひ覗いてみてください。

















