今、私たちはコロナ禍にいて、当たり前にできていたことができなかったり、がまんすることが増えていたり、気をつけることが増えていたりとなにかとストレスの多い日々を過ごしています。そして、それは一時期的なことではなく、もう二年目に入り長丁場となっています。このゴールの見えないコロナ禍の中で、ともすると暗く気持ちも病んでしまいそうにもなりますが、どうにか明るい方へ希望を持って乗り切りたいと私は考えています。そのためにも、私は、茶道の大切なこと3つを生かしていきたいと思っています。
まず、茶道の大切なことは、相手への心配りを忘れないことです。これは、コロナ禍でもとても大切です。マスクをしたり、手洗いや消毒をしたり、ソーシャルディスタンスを保ったりなど、みんなで気をつけて取り組むことで、効果が出てきます。自分さえ良ければいいと言う考えでは、とてもコロナに立ち向かうことはできません。みんなで相手への心配りをするからこその効果です。また、コロナに感染した方やその関係者の方への心配りも大切です。いくら気をつけていても、デルタ株をはじめ感染力も増しているし、目に見えない敵なので、誰がいつなってもおかしくない状況まで来ているので、むやみに詮索したり避難したりすることは無意味で相手を傷つけるだけです。
次に、茶道の大切なことは、ものを大切にするということです。これは、コロナ禍でとても重要でした。突然のコロナ拡大で、マスクや消毒液など不足し大変な時期でも、手作りのマスクや消毒液で乗り切りました。また、お家時間が多くなる中で、本当に自分に必要なものを選別したりする時間も増えました。普段は慌ただしく過ごしていて、そういったところまで手が届かないけれど、自分のものを見直し、本当に自分に必要なものだけを身の回りにおくという茶道の心が生かされた場面でした。
最後に、茶道で大切なことは、出会いや時間を大切にすることです。今まで当たり前に過ごしていた学校生活をはじめ、友だちと遊んだり、家族で旅行にでかけたり、祖父母に会いに行ったりなどが、今、コロナ禍で思うようにできません。だからこそ、限りある中での出会いや時間を大切にしてくことが更に大切だと感じています。当たり前だと思っていたことは実は、当たり前ではなかったことなんだということにも気づきました。
今、私たちはコロナ禍で試行錯誤を繰り返し、みんなで協力しながら、日々を過ごしています。茶道を通じて学んだ大切なことは、どれもコロナ禍を前向きにしなやかに芯を持って、生き抜くためにとても重要だと感じています。心配や不安で胸が押し殺さそうなときこそ、心を沈めてゆとりを持ち、お茶をいただくことで、本来の自分を取り戻すことにもつながるかもしれません。わたしは、茶道の大切なことを生かしながら、コロナ禍でも力強く日々を過ごしていきたいと思います。そして、大きく変化する社会の中でも、生き抜ける動じない穏やかな心、互いに尊重する心などを心を込めてお茶を点てることで磨いていきたいです。