シリーズ記事「比べる幸せ・比べない幸せ」
第1回:比べる幸せ、比べない幸せ
第2回:優越感で安心することの意味――比べる力を燃料に変える方法
第3回:比べない幸せを日常で増やす習慣
第4回:子どもの教育と「比べる心」
第5回:アートが教えてくれる“幸せの本質”
こんにちは。母画家道Rin甲斐香織です。
優越感を感じる瞬間に罪悪感を抱く必要はありません。
人の心には、本能として“比べる仕組み”があります。
問題は、その力をどう使うか。
今回は、比べる心を自己成長のエネルギーへ変える方法を探ります。
導入:優越感を感じる時、なぜ安心するのか
誰かより上手くいった時、少し安心したり、自信を持てたりすることがあります。
それは「優越感」という心の反応です。
多くの人がそれを感じると「こんな気持ちはよくない」と思いがちですが、実はこれは人間の脳にとってごく自然な反応です。
たとえば、生徒が入賞したとき、子どもが試合で勝ったとき。
心から嬉しくなると同時に、「うちの子、よく頑張ったな」と少し誇らしく感じる。
そこには、“自分の努力が報われた”という確認の安心感があるのです。
1. 優越感は「脳の報酬系」がつくり出す
脳科学的に見ると、優越感を感じたとき、脳内ではドーパミンという快楽物質が分泌されます。
これは「やった!」という達成感のもとになる物質です。
人はこれによって意欲が高まり、次の行動につながる仕組みを持っています。
つまり、優越感とは決して悪い感情ではなく、行動を促すスイッチ。
そのスイッチがあるからこそ、私たちは「もっと良い授業をしよう」「次はもっといい作品をつくろう」「もっと強くなろう」と前進できるのです。
2. 「感じてはいけない」と思うほど苦しくなる
優越感を「悪いもの」として抑え込もうとすると、逆に心が疲れてしまいます。
優越感や劣等感を否定すると、感情のバランスが崩れ、自分を責めるループにはまることもあります。
「感じてはいけない感情」ではなく、
「感じたあと、どう扱うか」。
それが大切です。
優越感に気づいたら、
「ああ、今私は安心したかったんだな」
と認めるだけで十分です。
気づきの一歩が、感情をコントロールする力になります。
3. 比べる力を“成長の燃料”に変える方法
比べる気持ちは、方向を変えるだけでエネルギーに変わります。
ポイントは「他人」ではなく「過去の自分」と比べること。
① 感情に気づく(嫉妬・優越感を「悪」とせず観察する)
② 視点を切り替える(他人→過去の自分)
③ 具体的な行動につなげる(「次はこうしてみよう」と決める)
こうして“比較のエネルギー”を自己成長に変換できれば、優越感はもはや敵ではなく、
自分を前に押し出す味方
になります。
4. アート教育に見る、健全な比較の在り方
アートの現場では、「他人と同じでなくていい」という価値観が育ちます。
生徒同士で作品を見比べることはあっても、順位づけを目的にしてはいません。
むしろ、「この色の使い方、素敵だね」「この発想、面白い!」と互いに刺激し合う時間です。
比べることで落ち込むのではなく、互いに高め合う比較。
それが、アート教育が持つ力の一つです。
この姿勢は、大人の私たちにも通じます。
他人を敵ではなく“刺激をくれる存在”として見られるようになると、優越感は次第に「感謝」に変わっていきます。
まとめ:優越感は「心のエネルギー源」
優越感は、あなたが「もっと良くなりたい」と願う心のあらわれです。
無理に消そうとせず、上手に扱えば、それは成長の燃料になります。
比べる幸せは、一瞬の高揚を与え、比べない幸せは、静かな安らぎをくれます。
どちらも、あなたの人生を豊かに照らす光。
大切なのは、どちらかを否定することではなく、光の使い方を選ぶことです。
「感じる」ことを恐れず、「活かす」ことに意識を向ける。
それが、比べる心に振り回されない一番の方法です。
次回は「比べない幸せを日常で増やす習慣」について。
心の静けさを取り戻す、小さな工夫をご紹介します。

















